【特別対談】「音楽都市 福岡」の未来(前編)
福岡音楽都市協議会メンバーの活動紹介
いよいよ福岡音楽都市協議会が本格的に動き出したということで、WEBメディア「OTOJIRO」の対談企画として当協議会のメンバーである皆さんと一緒にトークセッションを行いたいと思います。今回は様々な音楽ジャンルのプレーヤーがこの場に集まっていますので「音楽都市 福岡」の未来について、それぞれの視点でお話ができればと思います。
この協議会は音楽の力で地域の活性化や社会問題の解決など、いわゆる「ミュージック・アーバニズム」の取り組みを目指す全国でも非常に珍しい団体になっています。
まずは、普段どのような活動をされていらっしゃるのかを自己紹介も兼ねて寺田さんからよろしくお願いします。
筑前琵琶保存会 会主 寺田蝶美(てらだ ちょうび)と申します。活動といたしましては筑前琵琶の演奏活動と筑前琵琶を皆さまに知っていただくために、普及活動や後進の指導等に力を入れております。
先日開催された九州経済フォーラムで寺田さんが筑前琵琶の演奏を披露されていましたね。演奏に入る瞬間、本当に空気が変わりますよね。筑前琵琶の独特な調べといいますか。松隈さんは筑前琵琶聴いたことありますか?
聴いたことないですけど、楽器自体を作る方の話は良く聞きますね。
筑前琵琶による演奏ももちろん凄いのですが、寺田さんの歌がこれまた凄い。皆さんをグッと引き込んでいくんです。楽器自体に筑前という名前がついているので歌にも地域性がありますよね。明治時代に生まれたそうですね。
はい。この地域には筑前盲僧琵琶がありましたが、明治時代になって盲僧に対する保護がなくなっていきました。そこで当時、流行っていた三味線を参考にしたり、薩摩琵琶の要素を学んだりして、筑前琵琶が生まれました。筑前盲僧琵琶から変容して、興った芸能なのですが筑前という地元の名称がついているのはなかなか珍しいと思います。
ちょうど深町さんに聴いていただける機会がありましたけど、場の雰囲気をガラっと変えると言いますか、ほんのひと時でも皆さんを今の現実社会とは違う世界にお連れできるっていうのも琵琶の特徴です。これはまさに音色の特徴ですよね。楽器の成せる業だと思います。
それから、初めて演奏を聴かれる皆さんには「弾き語りなんですね」とか「演奏だけかと思ったら歌の方が多いんですね」と言われますが、ギターの弾き語りなどと一緒で、歌の部分が随分大きなウェイトを占めています。筑前琵琶は主に弾き語りで演奏します。
代表曲と言えば「平家物語」となりますけれども、それ以外にも地域の歴史を語る物語、今回は「黒田武士」を演奏させていただきました。博多の歴史を伝承したり、戦国武将の戦いを琵琶の激しい音で表現するなど、様々な表現ができるのが筑前琵琶の特徴です。
語りと音楽を一人二役で、物語性のある展開ですよね。地元の人間は知っている黒田節ですけれども筑前琵琶で聴くと、こうも違うのかという印象を受けました。
福岡民謡の黒田節だけではなくて、その前後に琵琶歌を入れることによって、よりストーリーを分かりやすく皆さんに伝えています。
なるほど。寺田さんはどうやって筑前琵琶と出会われたのですか?
私は4歳から筑前琵琶をしておりまして、祖母、曾祖母も琵琶弾きでございました。私の場合は環境先行型で、小さい頃から筑前琵琶に触れる機会があったので、そのときからずっと弾いていますね。
人生と共に筑前琵琶があるんですね。
衝撃的な出会いではないので、ピアノやギターが家にあるように、ごく普通な感じで琵琶が家にありました。ですから、物凄く琵琶に惚れ込んで始めたっていう方とはまた違う感じだと思います。ずっと傍にあって、ずっとやめずにきたというところです。
ありがとうございます。続きまして、松隈さんお願いします。音楽業界でプロデューサーとして第一線で大活躍している中で福岡に拠点を移して、東京と福岡の2カ所で音楽活動をやっているところが非常に興味深いですね。
音楽プロデューサーの松隈ケンタと申します。3年前に福岡に戻ってきました。
2004年まではアマチュアバンドとして活動していたんですけど、2005年にバンドデビューするタイミングで東京に行きました。そして3年間活動したんですけど解散したので、その後は裏方にまわって、ロックを基準としたJPOPをメインに作曲や音楽プロデュースをしています。
昨今のアイドルブームがある中で、実は僕自身全くアイドルに興味なくて、自分が担当しているアイドルしか知らないんですよね(笑)もともとは自分や仲間が作った曲をどうにかして聴いてほしい、聴いてさえくれれば面白がってくれるはずなのに、と思ってアイドルに曲を提供してみたらそれが良かったみたいです。
都会っぽくなかったのが良かったのかわからないですけど、ちょっと田舎っぽいというか、東京のプロデューサーは結構スタイリッシュな人が多かったんですけど、こっちは明太ロックで親近感がある感じなんですかね?
なので、別に新しいことやっているつもりは全くなくて、アマチュア時代からやっていたロックバンドっぽいサウンドをアイドルに歌わせたところ、それがわりかし話題になって、今ではBiSHや豆柴の大群などで取り上げていただいて、それから活動の幅が広がり、ジャニーズさんやスターダストさん、様々なアーティストさんとお仕事するようになりました。
やっぱりいずれは福岡に帰りたいなというのは元々あったのでこのタイミングで帰ってきましたね。バンドマンやミュージシャンもみんなあるんじゃないですかね。
今の若い人たちが東京に行きたいっていうのはだんだん減ってきていると思いますよ。僕らぐらいまでは東京いかんといかんやろ!ってのがあったので行ったんですけどね。失礼な言い方かもしれませんが、全然売れなくて帰ってきちゃうパターンの人と帰るに帰れなくなっちゃったパターンの人がいらっしゃると思うんです。
一旗揚げ行くぞ!ってえらそうに言っているけども(僕そうだったんですけど笑)売れなくて帰ってくるとなったらひっそり帰ってくるんですよ。全盛期で帰らないとちょっと帰りづらい空気があるんですよね。負けて帰ってきたっちゃろ?っていう空気が若干あるような気がして。被害妄想かもわかんないですけど、そういうのあるじゃないですか。
だから勢いのあるうちにってことで3年前に帰ってきて、こっちにもスタジオ作って若手バンドを育てたりしています。東京じゃないと分からないような情報とかがたくさんあったので、福岡の場所でも僕が伝えていくことで育成だったり発掘だったりをしていけたらと思いますね。
あとは自身の活動、バンドですけどBuzz72+が復活して14年ぶりにライブを開催しましたね。めちゃくちゃ仲悪かったんですけど仲直りしまして(笑)
今の話だといわゆるアイドルの多様化を促した一人でもあると思いますし、今までの福岡は、演者はたくさん輩出するのだけれども、それを支える、プロデュース的な資質を持っている人がなかなかいませんでした。
ようやく松隈さんのような存在が福岡にいることが、これから非常に意味が出てくるのかなと思いますね。最後に九州交響楽団の音楽主幹である深澤さんよろしくお願いします。
九州交響楽団の音楽主幹 深澤功(ふかざわ いさお)と申します。
全国にプロのオーケストラが30団体以上ありますが、その中のひとつに九響という愛称で呼ばれている九州交響楽団があります。主に九州エリアをテリトリーとしていますが、実際のところはほとんど福岡です。
私の役職である音楽主幹というのは、ありとあらゆる音楽的なことに関して全て携わる仕事なんですけど、例えば、私共が企画する年間約25回の主催公演の指揮者を選んだり曲目を決めたり、企業や学校等から公演依頼があったときにどうやったらニーズに応えられるかを考えたりだとか、要するにプロデュース的なことをやっています。
あとは、音楽家はいい意味で強い個性を持っているので、いろんな意見が飛び交うわけですけども、その調整役でもありますね。実はそういう私も元々コントラバスのプレーヤーでして、30年間ほどやっていました。
私の出身は福岡ではなくて、横浜生まれの東京育ち、大学卒業してしばらくフリーランサーで演奏活動していました。卒業後初めてのオーディションが九響の首席コントラバスのポジションでした。
おかげさまで合格できて、それからずっと福岡で活動してきたわけですけども、福岡の土地柄といいますか、山笠などいろんなことに惹かれて、音楽活動を通して自己表現するには最適な場所だと感じましたね。
そして4年程前に演奏業務から今の全体を統括する立場に変わったということでございます。
プロデュースとマネジメントも兼ねていらっしゃるということですね。九響のプレーヤーは何人いらっしゃるんですか?
演奏者が65名、それに加えて事務局が20名ですね。
これだけのプロのミュージシャンが食べていけているってとてもすごい世界ですよね。
そうですね。本当にありがたいことに福岡県と福岡市の両方からの補助金や公的補助も得ながら活動していますが、それらがなかったら絶対に無理ですね。
先程の話で音楽を目指す人は東京に行かなければいけないという流れの話がありましたけど、クラシックの世界はどうなのでしょうか?
やはり一時期はありましたよ。今はだいぶ状況が変わってきていて、地方都市のオーケストラにも様々な色がありますから、自分らしく活動できる場所を探している人は多いと思います。
例えばベートーヴェンが作曲した交響曲の中で一番有名な第5番の交響曲を演奏した際、九州交響楽団と札幌交響楽団では、同じ楽譜を見ているんですけど不思議と違うサウンド感があります。
具体的にどういう違いがでてくるんですか?
言葉で表現するのは難しいんですが、我々のほうは明るい音と言ったらいいんでしょうか、オープンなイメージがあるんですけど、札幌のオーケストラになるともっと繊細な感じがしますね。声で表現するとしたら、福岡は声が大きい感じがします。このように地域性がでることは非常に面白い、興味深いと思いますね。
様々なジャンルが融合することで生まれる新しい音楽の可能性
みなさまには自己紹介を兼ねてそれぞれ活動を話していただいたんですけども、今回この協議会の一つの肝と言いますか、面白いところが、音楽とはひとつのジャンルに縛られるものではなく、伝統音楽もありクラシックもあれば、ロックもありますし、ジャズだってあります。
これこそまさに多様性の集まりと言えると思うのですが、普段の活動はやはりそれぞれなんですよね。普段から一緒にやろうかみたいなことは現実起こらないわけですよね。
でも福岡って前から言われているように「コンパクトシティー」であって、メリットの一つにそれぞれの距離感が近いがゆえに、文化が混ざり合って福岡自体が都市として成長してきたバッググラウンドもあります。だったらもしかしたら音楽もそういう可能性を秘めてるんじゃないかと。ずっと一緒にやるってことじゃなくても、何かをきっかけに一緒にやりませんかみたいなことが様々なところであってもいいのかなと思います。
今回皆さん協議会に参加してみて、そういうことを思ったりしますか?もしかしたら一緒にやると面白いことができるかもとかですね。
はい。実はおおいに期待しております。ロックの話が出ていましたけども、壇ノ浦の合戦の場面を琵琶で弾いていますと、海外の方からロックだねー!と言われるんですね。ぜひ琵琶の演奏を聴いていただいて、どのように感じられるかをお聞きしてみたいですね。
これはやっぱり激しい感じなんですか?
そうですね。合戦の場面ですから激しく琵琶を弾きますね。もともと琵琶の起源は古代ペルシアなんですけども、リュート属の仲間でございまして、シルクロード・中国を通って、日本に伝わっています。
これがペルシャから西方に行けばギターになるわけですけども、みんな体の前で抱っこする感じで持ちまして、ピックや撥(バチ)で演奏するというところからは同じジャンルの楽器だと感じますね。楽器を並べていろいろ比べてみるのも面白いだろうと思っています。
さっそく何か一緒にできることがあるかもしれないですね。
ぜひ博多の楽器を使って面白いことをやってみたいですね。
筑前琵琶のロックは誰もやってないんじゃないですか?融合することによってそれぞれのファン層が広がったりとかもしそうですね。
伝統と言われるので、変わっちゃいけないのかなというふうに思うんですけど、実はあり続けるためには少しずつ時代の流れと共にいい意味で変容していかないと残れないと思っています。
今やインターネットが発達して世界中からいろんなものが入ってきますので、地元でもなかなか琵琶を選んでくださる方は少ないです。他の楽器の良いところを取り入れることによって、新たな発見があったり、新たなファン層を獲得したり、そういったことが未来に繋がっていくと考えます。
今この時代を生きてる人が喜ぶ魅力ある筑前琵琶を目指していかなければと思います。
単に知らないだけだとしたらもったいないですよね。寺田さんはたまたま環境的に幼い頃から筑前琵琶に出会えたかもしれないですけど、普段はなかなか触れ合う機会も少ないと思いますし、僕自身先日のイベントでもやっぱり凄いなと思いましたし、伝わるものは多分世代関係ないんじゃないかなと思うんですよ。
ありがとうございます。私はTPOを大切にして曲を選びます。聴く方がお子様たちの時は、興味を持って聴いていただけるようなアニメの曲を取り入れたりしますし、時にはカラオケに琵琶の音を乗せたりもします。
伝統こそ革新の連続でずっと生き延びてきた経緯があるかもしれませんね。歌舞伎の世界もそうですよね。常に古い演目だけをやっている訳ではなくて、時には新しいアニメの作品を取り入れたり、時代の流れに呼応する動きがありますから、全く同じようなことも筑前琵琶で考えられるということですね。
今の話を聞いてて似てるなって思ったことがあります。
僕が福岡に戻ってきた理由の一つでもあるんですが、沖縄が結構好きで昔は毎年のように行ってたんですよ。まさに沖縄も融合しているじゃないですか。それこそチャンプルーですよ!
三線とロックも普通に融合してますし、街に行けば一緒に流れてますよね。
現地のミュージシャンと喋って一番びっくりしたのが、福岡と真逆だったんですよ。1回東京行ってちょっと目立って帰ってこいって言う感じなんですよね。名前売れたらもういいやんみたいな。
そしてすごいのが、モンパチとかスピードとか安室奈美恵さんとかJポップの中でもジャンルが違うんですけど、あとはBEGINやORANGE RANGEとか米軍のバンドとかが一緒にフェスやったりしてるんですよ。
羨ましい話ですよね。あの感じは福岡には絶対ないなと思いましたね。ロックとかポップスとか言ってもやっぱり細分化されてたりとか、みなさん我が強いというか、それもミュージシャンの良さではありますけどね。
でもなんかやっぱ沖縄でお酒飲んで踊ろうぜっていうあの世代関係なくみんなが楽しめる感じがいいですよね。なんで沖縄ではそういうことが起きるかというと、僕のイメージだと海の島だからやっぱり海とお酒と料理と音楽って一番気持ちいいじゃないですか。
最近は糸島のほうが盛り上がってますよね。食べ物とか日本最強じゃないですか。あとは音楽だけじゃないかなと思うので、そこで僕も何かできないかなって思って帰ってきました。
福岡音楽都市協議会はまだまだこれからやらなきゃいけないことがいっぱいありそうですよね。深澤さんはクラシックの世界もなかなか一筋縄じゃいかなさそうな印象はありますけれども。
まあ確かに我々はクラシック音楽を中心にやってるんですけど、特にここ数年ではポップス系のミュージシャンの方とコラボレーションする機会は増えてきましたね。新たなジャンルと言っていいのではないかと思うくらいで、いわゆるシンフォニーオーケストラの音と一緒に融合した作品は本当に素晴らしいと思いました。
今まではどうしてもクラシックは敷居が高いイメージがあったかと思うのですが、決してそうではなくてオーケストラは楽譜さえあればどんなジャンルでも柔軟に対応できますので自由度が高く、どなたでも楽しめます。大所帯でやっているからこそ様々なジャンルと融合できる強みがあるということをつくづく感じます。
音楽の制作に関してですが、現代においては形態がどんどんパーソナル化してパソコンでほぼ完結できるところまできていますよね。
当然ストリングスなんかもデジタル音源として素材になっているんでしょうけど、でもやっぱりクラシックオーケストラのストリングスを生音で体感すると、パンチがあったり生音だからこそのグルーヴ感があったりしますよね。なにか生音の良さが伝わる面白いことを一緒にできるんじゃないかと思いますね。
やはり福岡のコンパクト感というのでしょうか、近いところにいるからこそアイデアも出しやすいですしね。もちろん多少のハードルはありますけどそこを乗り越えれば独自性のある面白いことができると思います。筑前琵琶との共演なども可能ではないでしょうか。
福岡の街なかに音楽が溢れることで日常空間が豊かになる
僕が音楽のフェスなどのプロデュースをしていて思うのが、福岡ミュージックマンスのフェスとかもそうなのですが、街なかでいろんなプロの音楽を無料で触れることができる機会があって、そこで出会った子供達とかが後に音楽を始めたという人が結構いるんじゃないかなと。
僕自身も子供の時に今はなくなりましたけど福ビルの1階に「日本楽器」という楽器屋さんがあって、そこでたまたま誰か知らない大人の人たちの生バンド、ロックをやっていたんですね。僕が今までレコードで聞いてきた音楽と違って、初めての生のロックミュージックだったわけですよ。
子供ながらに体にベース音やドラム音が突き刺さるような感覚に「なんだこれは!」って感動したのを覚えているんですけど、今振り返ってみると実はこのような原体験が、より音楽にハマっていったきっかけになったのかなと思います。
プロのミュージシャンはプライドもあるし、簡単に街中に飛び出してっていうのは難しいとは思いますが。みなさん「カルテット」ってドラマご存じですか?坂元裕二さんという脚本家の方の作品なんですが、街なかでまさにカルテットが演奏しているんですね。そうすると子供たちがその演奏に合わせて踊ったりとかするんです。
これを見てこういうクラシックの触れ方っていいなって思ったんです。
僕らはついついホールでしか生音、クラシック音楽に触れる機会がないのかなと思ってるんですけど、例えば当協議会が運営する、福岡の街で音楽の演奏等のパフォーマンスができる「フクオカストリートライブ」でクラシックのプレーヤーたちがカルテットぐらいのサイズでいろんな曲を演奏したらみんな喜ぶんじゃないかなって思います。
ヨーロッパのロンドンに自分も勉強の為に滞在していたことがあるんですが、地下鉄の通路で音楽大学の学生が前にバイオリンケースを置いて弾くわけですね。
実際すごく上手な人達がいっぱいいて、通行人も立ち止まって楽しんでいるわけです。とてもいい風景だなーと思った記憶がありますね。
実は九響も地下街のイベントができるスペースで何回か少人数で演奏させていただいたことはあって、道行く人が足を止めてくれて、次回はホールで聴いていただくといような流れはありましたね。このような流れが恒常的にできると、クラシック音楽が敷居の高いものではなくなって日常に溶け込んでくれるのではないかと思います。
ちょっとそれはやりましょうよ!九響攻めてるなーってなると面白そうですけどね。ストリートまで九響がきたよ!みたいなね(笑)
多分学生さんとかはお金がないながらも夢を持ってやってる訳ですよね。筑前琵琶の世界でもそういうことが実はあって、ロックミュージシャンもたぶん外から見たらなんか尖った変なやつらだという敷居が高く見えていて、でも実はお金がないからその辺でアコギ弾いているみたいなですね。
何かわりとそのストーリーをお互いが知らないんじゃないのかなって思いますね。
演奏場所や練習場所って結構限られていますので、ストリートで演奏させていただけるのはすごくいい取組だと思いました。街なかだと聴いていただく機会にもなり、例えば若手の演奏者だと人前でパフォーマンスをする練習にもなりますよね。街にいらっしゃる方たちも楽しめると思いますし。
お互いにとって良いですよね。もっと街に出歩きたくなるような、音楽に溢れた街にしていけると日常空間がとても豊かになると思います。なによりもネット上にはないリアルな繋がりができることもいいですよね。かっこ良いところもこれからというところも全部見ていただき、ファンになってもらうこともあるでしょうし、アイドルなんかもまさにそうですよね。
琵琶の定期演奏会で毎年同じ方が来て下さったりすると、「去年より上手になっとるねー!」とかおっしゃっていただけるんですね。やっぱりそういうお言葉ってものすごく励みになりますし、そういった経験を若い方ができるような街になったらとても素敵だと思います。どんな素晴らしいミュージシャンも始まりがあって、街のどこかで演奏されていた時代があったんじゃないかなと思います。
このような取り組みは福岡の新しい形として根付かせていきたいですね。
(後半へ続く)